米国クリスマス商戦の裏側
クリスマス前に発表された米11月小売売上高は前月比+0.2%となり、市場予想である0.6%(前回0.5%)に反して低い結果となりました。米国では11月第4週木曜日のサンクスギビング翌日の「ブラックフライデー」から「クリスマス」までがクリスマス商戦の期間にあたり、「Holiday Sales」と言われています。小売店のクリスマス商戦期間における売上高の年間売上高に占める割合は高く、米国個人消費はGDPの約7割に相当するため、売上高の伸び悩みは経済成長を縮小させます。
特にブラックフライデーは一年中で1番高い売上を計上する日と言われており、「ブラック」という呼び名はほとんどの小売店がこの日をもって黒字になるという意味合いがあるとされています。
今年のブラックフライデーについて米民間調査会社の報告では、11月24日(木)のサンクスギビングデーから11月27日(日)までの推計値は前年比+16.4%と大幅に増加しており、特にインターネット販売による推計値が前年比+32.0%と急騰、好調な滑り出しと伝わっていました。その一部を含む今回の指標結果に期待が高かったことから出鼻をくじかれる結果となりました。
気になる売り上げ内訳は、iPhoneアプリなどを含む電子・家電は堅調な伸びを示しており、ゲーム関連ではマイクロソフトのXbox360の本体セールスが米国内で96万台を突破したこと、任天堂の「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」が53万5,000本を突破し、Wii本体はこの日だけで50万台以上が販売されたことを明らかにしており、ブラックフライデーの売上自体は良かったものの、その一方で建設資材・食品・飲料・ガソリンの減少が目立ち、結果的には弱い結果となりました。
過去の例から見ても、ブラックフライデーの売上状況がそのままクリスマス商戦全体を占う結果とはなりませんが、このような状況下ではクリスマスまでの消費動向が息切れしてしまうリスクに備えておく必要がありそうです。
EU首脳会議への格付け会社の厳しい指摘!
期待されていたEU首脳会議では、政府債務危機の解決に向けた追加策に合意したことを好感し、欧州株価や債券利回りが上昇しています。しかし、財政規律強化などの中長期的な対策では前進したものの、財政悪化国の財政がひっ迫した場合などの足元の危機への対策は不十分であり、米大手各付け会社などはEU首脳会議を評価していません。
米格付け会社フィッチ・レーティングスは、EU首脳会議について「ソブリン債危機の解決に取り組む域内各国政府への圧力を和らげる効果はほとんどない」という見解を示し、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスも「新たな対策はほとんどなく、格付け変更のリスクを低下させていない」という見解を明らかにしています。
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はユーロ圏諸国の格付け引き下げを検討中であり、近く結果を発表する見通しです。米格付け会社は来年早々にも欧州主要国の格下げを決定する可能性を示唆しており、格下げが決定された場合には該当国の財政が打撃を受けるだけでなく、保有国債の値下がりで欧州銀行の財務まで一段と悪化する可能性があります。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が国債購入プログラムの証券市場プログラム(SMP)について「永久的なものでもなければ無限でもない」と述べ、債務国の国債購入に対して「消極的な姿勢」を改めて示しています。そのため、今後の格付け会社の動向は非常に重要な判断材料となり、FX相場を導くことになるでしょう。
英国以外のEU加盟国は、財政赤字を一定割合に抑えることになる財政規律を法制化することで合意していますが、緊縮財政を行うことで来年のユーロ圏は景気後退(リセッション)する可能性があり、ユーロに対する慎重な見方は来年も続くと考えています。
市場心理によるリスク・オンとリスク・オフ
米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FF(フェデラル・ファンド)金利誘導目標を0%から0.25%のレンジで据え置きとし、2013年半ばまでの異例な低水準見通しを維持しました。また、声明では世界景気は減速しているものの、米国景気は拡大を維持しているという見解を示し、景気刺激を狙った追加緩和策は取られませんでした。
変更や追加がなかったことがドル買い圧力を強めていますが、最近のドルの上昇傾向には欧州財政問題に対する懸念の根深さや季節的に年末に向けたドル需要によるドル買い圧力が根底にあります。しかし、米経済指標が強く景気回復の加速を示していることが株価を支え、安全資産としてのドル需要を後退させることも考慮しておく必要があります。
年末までのドル円相場は、小安状態ながら少し上昇傾向にあると考えています。クロス円では、ドルストレート通貨でドルが底堅く推移すると考えられることから下落するリスクがあります。最近では週末に期待や楽観論が台頭し、市場心理の改善によるリスク・オンを誘発していますが、週初にはその期待や楽観論が後退してリスク・オフとなるパターンが多いので、引き続き注意が必要です。こんな相場の時には、FX 自動売買を使ってシステマティックにトレードするのが1番良いですね。
駆け出しディーラーが注目する経済指標
| 国 | 指標名 |
|---|---|
| オーストラリア | コンファレンス・ボード景気先行指数 |
| ドイツ | IFO景気動向 |
| カナダ | カナダ銀行CPIコア |
| アメリカ | 住宅着工件数 |
| アメリカ | 中古住宅販売件数 |
| ニュージーランド | 第3四半期GDP |
| イギリス | 第3四半期GDP |
| アメリカ | 第3四半期GDP |
| アメリカ | ミシガン大学消費者信頼感指数 |
| アメリカ | 景気先行指標総合指数 |
| アメリカ | 耐久財受注 |
| アメリカ | 新築住宅販売件数 |
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